「Lancet Microbeという有名な医学雑誌に、『コロナウイルスの37度Cでの感染力は24時間』ということが書かれている研究論文があります。」

「SARS-Cov-2は熱に弱いのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。肺胞レベルでの空気の温度は、37°Cぐらいです。肺動脈内の温度は37.22±O.11°Cという研究もあります。」

「37度では24時間後までしか感染力を維持できないとすると、人間の体内では、SARS-Cov-2に対して、厳しい、体温による淘汰の圧力が加わるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。その結果、耐熱性の高いSARS-Cov-2に変異したものだけが、増殖を続けることになります。」

「その過程で、感染力が強いウイルスは淘汰されてしまうということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/7/2

<ムクドリ47>

信玄としては、家康が籠城して持久戦ということになれば、落城するまでに長期間かかり、京に上ることができないという問題があった。出城や砦を落とすのとはわけが違う。もし、浜松城を落とさないで京に登れば、背後から家康に攻められることにもなりかねない。そこで、信玄は家康に心理作戦を仕掛けたのだ。そして家康が籠城している浜松城を無視して、その先にある三方ヶ原に向かい、『1万5千の兵しかいない家康に、2万7千の武田軍を背後から襲う度胸はない』ということを口ではなく態度で示したのだ。その結果、自尊心を傷つけられた家康は、武将としての意地を見せるため、三方ヶ原の手前にある祝田の坂で武田軍を壊滅させようとする。

祝田の坂は今とは違い細い山道だ。信玄が大軍を率いていても、どうにもなるものではない。坂の上に位置する徳川軍の方が有利なのだ。しかし、信玄は若い家康が自尊心を傷つけられ、武将としての意地を見せるため祝田の坂で背後から襲ってくることを予測していたのだ。<続く>

2023/6/15